アメリカのクリスマス その4 テレビ事情と無料放送 

スカパー(sky perfect TV)って入ってますか?今から十数年前、「これからは多チャンネル時代だ」とかいって、鳴り物入りで開局して以来、それほど普及しているように思えないよね。日本では地上波のテレビで十分満足できるんだな。基本的に無料だし。よほど観たいと思う特定のコンテンツがない限りわざわざ有料チャンネルに入らないのは頷ける。
僕には入る動機があった。サッカーの中田が観たかった。スカパーなら生中継でイタリアでの中田の試合が観れたのだ。はっきりいって多チャンネルに慣れてしまうと、意外と抜けられなくなる。好きなチャンネルは出来るし、今まで知らなかった面白いコンテンツに出会ったりするからだ。僕の場合、ツール・ド・フランスと海外ドラマかな。はっきり言って海外ドラマ見てしまうと、日本のドラマがいかに薄っぺらなものが多いかに気付かざるをえない。それはいずれ語ります。

ところでアメリカである。アメリカのTVはケーブルテレビが主流だという。つまりスカパー形式の数百チャンネルが当たり前になっている。日本の地上波にあたる三大ネットワーク(ABC,CBS,NBC)プラス独立系チャンネルで成り立っているわけだが、それでは何故アメリカではこの有料チャンネル方式が普及したのだろう?それにはいくつか理由が考えられる。

  • アメリカは他民族国家だ。さまざまな人種がいることから、万人向けの三大ネットワークだけではニーズに対応できなくなったのだろう。放送に多様性が要求され、外国向けのチャンネルが沢山用意されるようになった。
  • アメリカは二大政党である。それぞれの立場に立った独立系の番組が人気を博すようになった。アメリカ人はとにかくどちらかの立場に立たなければならないので、これは必然かもしれない。
  • 宗教の放送が始まった事。画面越しに牧師さんが説教をするのだ。これが大きかったかもしれない。普段テレビを観なかった敬虔なクリスチャンがみんな加入するようになったのだ。(日本でも宗教界がスカパーに乗り出したら、もっと普及するのかもしれない。)

他にも、CNNの戦争報道が脚光を浴びたり、独立系のチャンネルが次々と面白いコンテンツを作っていったことも一役買っただろう。例えば日本でもおなじみ「セックス・アンド・ザ・シティ」のような過激なドラマも独立系(HBO)から生まれたものだ。

このように、お金を払ってテレビを観るのが、アメリカ人の常識なのだ。
前置きが長くなった。さてクリスマスはどうなんだろう?実は前回までに紹介した二本の映画は無料放送だという。理由は簡単、あまりにも古い映画ということから、版権がほとんどタダ同然なので、無料で提供できるのだ。アメリカ人だって無料は嬉しい。だから、けっこうみんな観るらしいんだね。この二つの映画の他にも、無料放送されてるものがあるというので、それらを紹介してアメリカのクリスマス特集を終わりにします。この番組情報は町山氏によるものですよ。僕が調べたものではありません。悪しからず。もう書いてて飽きちゃったよ。
flosty the snowman

命を吹き込まれた雪だるまのフロスティと、心優しい女の子との間に生まれた、寒い季節の暖かい"奇跡"のストーリー。こども達が夢を込めて作った雪だるまが、ひょんな奇跡から動きだし、こども達に幸せな時間と、夢をもって生きることの大切さを教えてくれるとのこと。この動画で流れている曲はとても有名だね。そしてこのアニメは日本の虫プロも関わっているのだそうだ。
赤鼻のトナカイ ルドルフ

この人形劇もアメリカでは定番らしい。なんと日本人が40年前に作った作品だという。そして有名な曲「赤鼻のトナカイ」はこのドラマのために作られたんだって。全然知らなかった。でもこの作品、古い感じはするけど、今の子供達だって十分に楽しめそうだね。
スヌーピーのクリスマス

昔は日本でも放送していたチャーリーブラウンシリーズの一編。この動画は当時放送されたもので、谷啓がチャーリーの吹き替えをやってます。この動画は途中まで観れるのですが、印象は非常に悪い。子供が「欲しいのはお金」と言ったり、実にこまっしゃくれてるのだ。子供には見せたくないって感じなんだけど、後半は本当のクリスマスの意味を説いている話になっているそうなのでご安心を。
しかし、ここまで見ていくと、いくらタダとはいえアメリカは古いものを当たり前に放送するんだね。日本ならどんどんリニューアルしていくだろうに。その辺が古き良きものを大切にしているとも言えるし、テレビ制作に余計な金をかけてないともいえるね。次回はやっと別の話題に移れる。それでは