ビデオ鑑賞日記 「 正体不明 THEM」

批評は評論家に任せるとして、ビデオの感想文を書いていきます。

正体不明 THEM (ゼム) [DVD]

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ストーリー
ルーマニアで起きた実話に基づくサスペンスホラー。街から離れた林の中の屋敷で暮らす教師のクレモンティーヌと夫で作家のリュカは、自然に囲まれた屋敷での生活を気に入っていた。ところがある夜、無気味な反復音と共に“奴ら”が現れ…。R-15作品。

エクソシスト」の監督、ウイリアム・フリードキンが選んだ最強ホラー13本にこの映画が入ってたので観てみました。
http://eiga.com/buzz/20081030/11
この邦題、配給会社はどんな意図でつけたのかな?僕ならかなり迷うだろう。マーケティング的に考えれば、この映画は「ホラー映画」として売りたいと思う。でも、このタイトルから僕がイメージしたのは、軟体生物系の宇宙人とか、SFボディスナッチャーみたいな人の身体を乗っ取ったりするようなもの。そんなSFホラー物かな?という感覚で観てしまったら確実に肩すかしを喰らってしまう。SFでもないし、さして怖くもない。スプラッタ的要素も期待できない。実はこの話。2002年にルーマニアで実際に起きた事件を、脚色して映画化したものだったのだ。「それ早く言いなさいよ!」・・だとしたら怖くなるのよ。この話は・・・
「実話ホラー」を強く打ち出せば、観る方も過剰な表現や意外性など必要以上に期待しないし、実在的な恐怖体験ができるのだ。まあ、この予告編を最初に観とけばよかったんだけどね。(少なくともSFとは思わないだろう)この実話自体、とても興味深いものだ。日本なら大事件として報道されるだろう。制作する側は考えたに違いない。「この話をどんなアプローチで見せよう」大きく二つに別れるだろう。

  • 被害者と加害者の双方から描いて、事件の全容を推理を交えて描く方法
  • 加害者をモンスターに仕立て、ホラーとして描く方法。

個人的には前者で観たかった気がする。なぜthemはモンスターになったのか?それを知りたいのだ。でも制作者は後者を選択した。themの事が語られるのは,最後に流れるテロップだけ。実際、この事件の全容は未だ解明されてないらしい。ネットで検索しても日本語ではほとんど出ていない。そこそこ面白くは観れたけど、フラストレーションを感じる映画でした。
星☆☆☆★★